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明日の為の経済ビジネス情報


第129回 危機管理(15.明日のエネルギー戦略<10.脱原発に対する不安>)

2011年7月25日(月)

10.脱原発に対する不安

今後の電力の安定供給に向けて発電エネルギーの評価と推進を考えていかなければならない。ある一つの発電エネルギーについて欠陥が現れたからといってそれを悪者にして排除してしまって物事が解決するものでもない。冷静な評価が必要である。また発電エネルギーにおいては多くのエネルギーを使い合わせることが資源高騰、資源枯渇等の危機回避に繋がるのである。原子力エネルギーにおいては安全面で問題が出たが、技術的に改善できない問題ではない。危険予知的取り組みと技術改善により高度な安全を確保してほしい。
(1)原発の代替は再生可能エネルギー(自然エネルギー)では不可能
現状再生可能エネルギーは、原子力発電の発電量を賄える発電量安定性及び技術力は現状無い。
気象によって発電量が変化する太陽光発電などは蓄電池技術の大きな進化が必要になってくる。かなり時間が必要で価格的にはまだまだ高価なものである。
将来を見た場合も、再生可能エネルギーは改善途上の技術で発電量で原子力に変わりえない可能性も高い。
原子力発電の発電量を火力発電(輸入資源)で賄うには安全保障上、輸入資源価格上、及び経済上問題がある。
ならば、原子力発電の安全性を限りなく追及した新型炉を開発採用し、原子力、火力発電、再生可能エネルギー
それぞれを発展させ日本の電力供給体制を確立していくのが本筋ではないだろうか。
(2)作られる再生可能エネルギー推進世論
今、テレビ放送の討論会を見ても、原子力は安全上問題として改善予知無し的扱いで、再生エネルギー推進意見の解説者を8割程度(推定)集め発電技術者が少ない状態で討論を行い、再生エネルギー有利の扱いで放送されている。
さらに、アンケートの認識の問題がある。
原子力発電をどうするべきか
2007年7月アンケート NHK調査
原子力発電を
  増やすべき     2%  ―――
  現状を維持するべき25%     | 62%原発維持
減らすべき    45%  ―――  ――
すべて廃止    21%  ―――――――| 66%脱原発
分からない     7%  
このアンケート「減らすべき」はいつまでに減らすかは明示されておらず、それを脱原発に入れるか原発維持に入れるかでアンケート結果の意味合いが180度変わってくる。
アンケートには様々なメリット及びデメリットを提示の上に実施しなければまったく違った結果が出ることもある。原子力の可否には複雑な要素が絡み合っているので全ての理解は困難極まりない。 安易にアンケートを実施するべきではない、まして国民投票などはメリットデメリットなど全ての説明が不可欠であり。技術的に不確定要素の多い課題の判断は適さない。
(3)重要課題として雇用経済の影響を含めて考察する必要
脱原発に対する不安は再生可能エネルギーの未熟さへの不安である。脱原発を行ったからといって再生可能エネルギーが浮き上がると言う話ではない。
再生可能エネルギー法案が検討されているが、高価な太陽光発電を設置しそれに対する電力買い取りは、電気料金値上げで対応される可能性が高い、再生可能エネルギーの実力は優遇されて成長させての効果と負担を厳密にシミュレーションしておく必要はある。
再生可能エネルギーの中で立地の問題はあるが地熱発電、水力発電は一定の効果がある。原子力の安全性を向上しつつ、効果がある再生可能エネルギーを推進していくのがとるべき道であろう。
今、脱原発は新興国が全力で発展して来ている経済環境で、日本がさらに重石を背負うことになりかねず、企業の海外流出、雇用減少を含んだ経済衰退への道を加速させる可能性も大きい。さらに、脱原発は短期中期的には化石燃料輸入に繋がることから貿易収支が輸入超過に繋がり、40年前の前の石油危機のように大きく経済を悪化させる可能性も強い。国債発行残高900兆円を越える貿易収支黒字は命図まであり、今、基幹エネルギーを止めている余裕は無い。
☆♪――――――♪
今日の外来語言い換え辞典 (国立国語研究所外来語言い換え提案引用)
フレックスタイム<自由勤務時間制> 全体 ★★☆☆ 60歳以上 ★☆☆☆
意味
 始業や終業の時間を従業員が自由に選択できる就業方法
使用例
 全職員が一斉に始業することに慣れてきた日本企業にとって,フレックスタイム【自由勤務時間制】の取り扱いは難しい面もあるようだ。
その他の言い換え
<時差勤務>

要望問い合わせ他

作成2011.07.25
更新2011.07.25
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